出版しても本業の売上が必ずアップするわけではない理由

企業出版 売上アップ


売上アップを目的として企業出版に取り組むケースは非常に多いですが、

本の出版=本業の売上アップ

ではありません

また、できるだけ多くの人に読んでもらいたいと考える企業様も多いですが、

本が多く売れた=本業の売上アップ

でもありません

それでは、どうすれば本の出版を本業での売上アップに結び付けていくことができるでしょうか。

今回は、本の出版を本業の売上アップに結び付けていくための基本的な考え方について紹介させていただきます。

記事の目次


    BtoB事業者が売れる本を作ろうとすると失敗する理由

    売れる本を作りたいと考える人は多くいますが、BtoB事業者が本業の売上アップを目的とする場合、売れる本を作ることが必ずしも正解とはならないことに注意する必要があります。

    というのも、売れる本の多くはマス向けの本で、会社の中で言えば社員が買ってくれる本になりますが、BtoB事業者が売上を上げようとした場合は、意思決定者である経営者や役員向けの本を作る必要があるためです。

    企業出版を手掛けるラーニングスが本をつくる場合を例にして考えてみましょう。

    本を作ることを呼びかける本を作る場合、たくさんの本を売りたいと考えたら

    「あなたもできる!初心者から一人で本を作って出版する方法」

    といった本になります。

    でも、そうした本がどれだけ売れても企業出版のクライアントから問い合わせをいただくのはなかなか難しいはずです。

    一方で、

    「BtoB事業者が1冊の本で売上をアップさせる方法」

    という本だとどうなるでしょうか?

    ターゲットを経営者、それもBtoB事業の経営者に限定していることもあり、販売部数としては多くを期待するのは難しいかもしれませんが、もし狙った読者ターゲットに読んでもらうことができれば本業の企業出版サービスにつながる可能性があります。

    うちはBtoCでマス向けの商材を扱っているという場合には、販売部数の多い本が出版できれば大きなプラスになりますが、そもそも狙ってベストセラーができるほど出版は甘くありませんし、売れる本を作るよりも本業のサービスの広告に力を入れた方が効率的となるケースも少なくありません。

    企業出版で売上アップを狙いたい、そう考えたらその考えのみを狙うべきで、販売部数の多い本と本業の売上アップの両立は実はなかなか難しいのです。

    潜在?顕在?を考えよう

    読者ターゲットについて考える際には職種や属性だけでなく、顕在顧客か潜在顧客かどうかについても考えてみましょう

    顕在顧客であっても潜在顧客であっても出版は効果的に作用する可能性が高いのですが、それでも基本的には顕在顧客をターゲットした本から出版することをおすすめします。

    つまり、ある程度自社サービスに興味がある人を対象とするべき、ということです。

    というのも、顕在顧客向けの本から出版したほうが圧倒的に出版の費用対効果を実感しやすいためです。

    こちらも例を挙げて考えてみましょう。

    もし月に100件のアポがあり、20件が商談化して5件が成約するサービスがあったとします。

    この場合、最初のアポが100件で成約が5件で成約率5%となります。

    企業出版で売上アップを狙う場合は最初のアポ100件からの成約率を上げるための本が効果的です。

    つまり、最初の100件の人がより成約に結び付くための本を作る必要があるのです。

    例えば、他社と相見積もりで他社に負けてしまうのであれば、他社との明確な違いを打ち出す必要があるでしょうし、価格が高いという理由で断られてしまう場合は商品やサービス開発についての考え方を紹介することで成約率をアップできる可能性があります。

    大切なのはあくまでも100件のアポをくれた人に向けた本を作るということです。

    まれに、より多くのアポが欲しいと考えて100件のアポを200件に増やすための本を作ってしまうことがあります。

    もちろんこれも失敗ではないですし意味がないとは言いませんが、それでもアポ数を増やすのであれば本よりも広告の方が優れているケースが多く、またすぐに成約に結び付きにくい潜在顧客のアポ数を増やしたところで成約率が悪くなって労力ばかりかかるようになってしまう危険性も否定できません。

    それこそ、バケツに穴が空いている状態で水を注ぎ続けてしまうことのないようにしなければなりません。

    バケツの穴を防ぐための一つの方法として、企業出版は効果を発揮しやすいのです。

    (なお、誤解がないように伝えておきますが、狙うのは100件のアポの方を対象とした本のイメージですが、そうした本を出版することによって結果としてアポ数は増えることになります。)

    参照:顧客層とサービス認知度の掛け算で売上アップ企画を考えよう

    ストーリーができていないと失敗する

    最後に出版から売上アップのストーリーについての話をします。

    というのも、企業出版のプロジェクトでは、どのように活用して売上アップにつなげていくかのを考えておくことがものすごく大切だからです。

    例えば、成約率を上げたいと考えた場合は、アポの際に顕在顧客に配ることを検討するのもよいでしょう。

    本は必ずしもお金を出して買ってもらう必要はないのです。

    サービスの購入を検討している顕在顧客であれば本を手渡せば読んでくれる可能性が高いですし、顕在顧客が読んでくれれば成約率が上がり売上アップのストーリーが描きやすくなります。

    また、出版の記念セミナーを開催してセミナーに参加してもらいつつ本を読んでもらうことで売上アップにつなげたり、これまでの失注客の掘り起こしに本を利用するケースも少なくありません。

    はじめて取り組んだ企業出版プロジェクトをいきなり売上アップにつなげていっている会社によくある特徴として、買ってもらうことを前提とせず、配布して売上アップを実現していくストーリーをあらかじめ描いているという点があります。

    まれに出版自体が目的となって作品づくりのようにプロジェクトを進めてしまう企業様もありますが、これも注意が必要です。

    ベストセラーや作品づくりを目的とせず、売上アップのストーリーを描いて企業出版に取り組んでいきましょう。

    2冊目、3冊目の出版に取り組んでいこう

    今回は、出版を売上アップに結び付けていくための大切な考え方などをお伝えしましたが、紹介した内容について特に考えることなく企業出版に取り組んだけど結果として売上アップが実現できてよかったというケースも実際はよくあります。

    これは、出版したこと自体がブランディングにつながったことが要因と考えられます。

    ただ、企業出版は企業にとっては投資活動であり、その成功確率を高めるために力を尽くさなければなりませんし、1冊目がうまく売上アップに結び付けばさらにターゲットの業種を少し変えるなどして2冊目、3冊目と出版していくことも可能です。

    実際、ラーニングスでは1冊目の出版で売上が伸び、2冊目3冊目の出版に取り組みながら売上を拡大していく企業様もいますし、別のサービスのために2冊目も本を出版するという企業様もいます。

    まずは1冊目の本の出版で売上アップを実現するべく、プロジェクトへの取り組みを検討してみるのはいかがでしょう。


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    梶田洋平

    出版社ラーニングス株式会社 代表取締役

    慶応義塾大学卒業後、証券会社に入社し法人・リテールの営業活動に尽力。退社後、2017年7月にラーニングス株式会社を設立。はじめて本を出版する企業や個人事業主の方を対象とした事業を展開する。これまで自身が著者として出版した本は16冊、読んできたビジネス書は3,000冊以上。

    https://www.learnings.co.jp/
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