顧客層とサービス認知度の掛け算で売上アップ企画を考えよう
「企業出版」は、売上アップをはじめとする経営課題の解決を目的として本を出版することを指します。
ただ、出版しても必ずしも売上アップにつながるわけではありません。
特に
本来ターゲットとするべき顧客
自社サービスの認知度
どんな本を出版するのか
出版後の使い方
については最低限考えておくことが大切です。
今回の記事では、
潜在顧客か顕在顧客か
サービスの認知度が高いか低いか
の組み合わせでどんな出版企画が売上アップを実現しやすいのかについて紹介してまいります。
記事の目次
顧客の組み合わせとサービスの認知度をかけ合わせてみよう
売上アップのための出版の企画を考えるときに、ラーニングスでは上記のようなグラフをベースに考えるようにしています。
横軸がサービスの認知度、縦軸が狙いたい顧客の見込み度合いです。
まずは横軸のサービスの認知度について考えてみましょう。
サービスの認知度とは、サービスが
一般的に知られているかどうか
探している人がいるかどうか
といったことが基準になります。
例えば、ホームページ制作サービスはどうでしょうか?
ホームページ制作は一般的なサービスであり、探している人も相当数いることが想定できるサービスですね。
そのため、認知度は高い、つまり半分よりも右側にあるサービスと考えられます。
では、相続した不動産の再生、売却、活用について、コンサルティングを実施して支援するサービスだったらどうでしょうか?
相続した不動産をどのようにすればよいのかわからないと困っている人は多いかもしれませんが、相談に乗ってくれて適切な解決策を提案してくれる会社があるのかどうかすら知らないケースが多いのではないでしょうか?
この場合はサービスの認知度が低いサービスなので半分よりも左側のサービスになります。
次に縦軸の顧客の見込み度合いについてです。
例えば、ある程度悩みや解決したい課題が明確である場合は上半分の位置(=顕在顧客:A、Cカテゴリー)になります。
一方でそもそも、そこまで悩みや解決したい課題が明確でない場合は潜在顧客、つまり下半分のいずれかの位置(B,Dカテゴリー)になります。
この場合は、出版に取り組む際にはニーズやウォンツを明確にしていくための本を出版する必要があります。
グラフの縦軸、横軸の意味については理解いただけたでしょうか?
グラフ上にあるように、4つで区切られたそれぞれのスペースをA~Dカテゴリーとして、それぞれのカテゴリーで考えるべき出版企画について簡単に解説してきます。
顕在顧客×サービスの認知度高(Aカテゴリー)
売上アップのために企業出版に取り組もうと考えた際には、まずこのAカテゴリーの出版企画を検討するとよいでしょう。
Aカテゴリーは顕在顧客に対して、比較的認知度の高いサービスを打っていく場合の出版企画です。
例えば、税理士がこれから起業しようと考えている新規顧客を獲得する本を想定してみましょう。
起業後には税理士のサービスが必要になることが想定されるので、これから起業を考えている人を顕在顧客と考えることができますし、税理士のサービスは一般的によく知られています。
では、その顕在顧客はどうやって税理士を選ぶでしょうか。
例えば、起業後の支援内容について強みがあるのであればそこを強調するような本を出版して、その本を初回の無料相談などで配布してみてはどうでしょうか。
他の税理士事務所よりも起業後の支援が強い印象を与えることができれば選んでもらえる可能性が高まるはずで、売上アップへとつながることが想定できます。
当然、本を知って問い合わせをしてくれるクライアントも増えるでしょう。
潜在顧客×サービスの認知度高(Bカテゴリー)
売上アップのための本は基本的にはAカテゴリーの本を作るところから始めるべきだと考えていますが、Aカテゴリーの次に取り組むのはBカテゴリーの本がおすすめです。
Bカテゴリーは、サービスの認知度は高いけれど今すぐにそのサービスを必要としているわけではなかったり、あるいは、知ってもらっていても【何かしら】の理由があって成約に至っていない場合のカテゴリーです。
例を挙げて考えてみましょう。
例えば採用に強いHPを作るのを得意とするHP制作会社が、本を出版する場合について考えてみましょう。
採用に強いHPを作るためには、クライアント企業に訪問して社長や社員へのヒアリングや写真撮影を実施する必要があるため、社員が運用できるような簡単なHPよりも値段は高くなりがちです。
ただ、人事担当者はHPの重要性を理解していたとしても、経営者は
「採用HPを作るのはいいが安い方がよい」
「採用専用のHPよりも、今あるHPに情報を掲載するだけで良いのでは?」
と考えていることはよくある話です。
この場合、先ほど記載した【何かしら】が【経営者の考え】になります。
逆に言えば経営者が採用HPの重要性を理解してくれれば成約率が上がり結果として売上がアップするというストーリーを考えることができます。
その仮説に基づいて、自社のクライアントの中で一番の成功例を基に本の企画を立ててみたらどのような企画ができるでしょうか。
「社員5名の会社なのに500人の応募者が来た理由」
といった本の企画を考えられるかもしれません。
こうした本を出版して見込み顧客に配布するなどしたら興味を持って読んでもらえ、さらに仕事の受注にもつながる可能性があります。
もともとHPのリニューアルを検討しているAカテゴリーであれば「採用に強い会社のHPは何が違うのか」みたいな出版企画が良いかもしれませんが、経営者の考え方を変えたいと考えるBカテゴリーの場合はあえてHP制作を打ち出し過ぎない企画もおすすめです。
顕在顧客×サービスの認知度低(Cカテゴリー)
次に顕在顧客であり、サービスの認知度が低いCカテゴリーについて見ていきましょう。
Cカテゴリーはサービスの認知度が高くないことを前提としているため、AカテゴリーやBカテゴリーに比べると売上アップにつなげるのは多少難しくなります。
ただ、一方で悩みや課題が明確になっているため、戦略をしっかりと考えることで成約までつなげていくことは不可能ではありません。
例を挙げて考えてみましょう。
このCカテゴリーの場合、特定の悩みを解決できるような本を出版するのがおすすめです。
例えば、補助金や助成金の申請支援サービスを提供している税理士法人が特定の補助金に関する本を出版するのもよい方法でしょう。
特定の補助金や助成金を申請した場合にはその名称で検索することが想定されます。
その際に「〇〇補助金申請ガイド」という本が出版されていたらどうでしょうか?
ネット上に情報は色々ありますが、本という形で一冊に体系的にまとめられていると分かりやすいですし、本の最後に無料相談などの案内を掲載しておくと、
「自分で申請するよりも支援サービスがあるならそこに任せた方が簡単だな」
と考えていただける可能性があります。
上記の例のように、Cカテゴリーの本は特定の悩みや課題を検索したときに、その答えやヒントが掲載されていると思ってもらえるような本を出版するのがおすすめです。
もちろん、本のタイトルには検索されやすいキーワードを含めておくことも大切になります。
潜在顧客×サービスの認知度低(Dカテゴリー)
最後に、潜在顧客に対して認知度が高くないサービスを販売したいと考えた時の出版企画について見ていきましょう。
当然ですが、最も費用対効果を感じるのが難しいカテゴリーで、この分野はWEB広告で潜在顧客を獲得する施策の方が効果が高いことが多いです。
ただ、WEB広告を出稿するにしても本を出していた方が広告の効果を発揮しやすかったり、また電子書籍の巻末に読者特典などのリンクを用意することで顧客リストを取得するという方法も効果はあります。
潜在顧客がすぐにサービスを購入してくれることは難しいかもしれませんが、メルマガなどを通じて徐々に興味を持ってもらうという施策を講じるとよいでしょう。
潜在顧客に興味を持ってもらうためには、Cカテゴリーのようなニーズ中心の出版企画よりもウォンツ、つまり「こうなりたい」といった要望を刺激するような出版企画がおすすめです。
優先順位はA→B→C→Dの順番
ここまで、顧客の見込み度合いやサービスの認知度の掛け算から、どのような出版企画にすれば売上アップにつながるような本になるかを解説してきましたが、カテゴリーのアルファベット順の通り、基本的にはAカテゴリーから取り組むことをおすすめしております。
それこそ、Aカテゴリーの本ばかりずっと出し続けるのもよいでしょう。
売上がアップすれば、その売上から得られる利益をさらに投資することで事業を拡大していくことを検討できます。
そして、2冊目、3冊目の出版に取り組みながら相乗効果を発揮しつつ、どんどんと売上をアップしていくことを考えるとよいでしょう。
また、出版は取り組む前の戦略が9割と考えるようにしましょう。
単純に出版し続けるだけではなく、
出版後にどう活用していくのか
2冊目、3冊目はどんな本を出版していくのか
についても考えておくことで、出版による売上アップの効果を最大限感じてもらうことができるはずです。
もし、自分の会社ならどんな出版企画が良いだろうと考えたなら、ぜひ一度連絡をいただけましたら幸いです。
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