2段階で考える「BtoB×無形商材」の新規獲得
新規顧客の獲得は、企業をさらに成長・拡大させていくために不可欠であり、多くの企業が取り組んでいる施策の一つです。
ラーニングスでは、特に【BtoB×無形商材】の中小企業やベンチャー企業へ向けて、「本の出版」を施策の一つとしておすすめしていますが、新規顧客の獲得において本の出版が効果的な場合もあれば、そうでない場合もあります。
そのため、まずはどのように顧客を獲得するのかについて、頭を整理しておく必要があります。
今回は、【BtoB×無形商材】における新規顧客の獲得方法について、2つの段階にわけて解説していきます。
ぜひご覧ください!
記事の目次
新規顧客の獲得までの道のりは2段階で考えよう
【BtoB×無形商材】の新規顧客の獲得は大きく下記の2段階にわけて考えていきます。
見込み客を獲得する(見込み客の獲得)
見込み客を顧客に変える(顧客化)
BtoB事業や高額商材を扱うBtoC事業になると、商品やサービスを知ってすぐに購入につながる、ということはなかなかありません。
そのため、まずはマーケティングで見込み客を獲得して、その見込み客に情報を与えながら少しずつ成約へと近づいていくという行動パターンが基本となるのです。
2段階での新規顧客の獲得の例
2段階での新規顧客の獲得について、例を挙げて考えてみましょう。
〈住宅販売の例〉
高額商材を扱うBtoC事業の例として住宅販売が挙げられます。
多くの人にとって家の購入は、人生で一度あるかないかの一大イベントであるため、絶対に失敗したくないと考えるでしょう。
そこに「住宅をうちの会社で建てませんか?」と営業しても、すぐに購入の決断をしてもらうのは難しいですよね。
そのため、住宅販売会社は
まずは見込み客になってもらう
その後、コンタクトを重ねながら少しずつ決断へと進んでいく
という2段階での新規顧客の獲得を狙うことになります。
例えば、WEB施策で「失敗しない家づくり」などのPDFをダウンロードしてもらったり、住宅展示場でプレゼント付きのアンケートに答えてもらうなどして、まずは氏名やメールアドレス、住所や予算などの情報を得るという施策を実施します。
ここで、個人情報を取得して見込み客になってもらうという第1段階がクリアとなります。
その後は、メルマガやDMなどで定期的に情報を提供しつつ、商談や説明会など、直接相談できる機会へ誘導して営業活動を進めていくことになります。
これが第2段階の顧客化です。
突然商談して決断を迫ることで顧客を獲得できるのであれば、そのやり方でよいかもしれませんが、多くの人にとって一生に一度の買い物である住宅のような高額商材の場合、どのような会社であるかをしっかり見られています。
そのため、特に中小企業やベンチャー企業の場合においては、情報をしっかりと伝えて信頼を獲得した上で決断してもらう2段階でのアプローチが、新規顧客の獲得のセオリーとなるのです。
〈DX支援コンサルティングサービスの例〉
BtoB事業においても、すぐに購入の決断をしていただけるサービスは多くありません。
特に、一度購入したらその後長期間に渡って取引が続くコンサルティング契約のような、無形商材とよばれる形のないサービスを販売する場合にはその傾向が強くなります。
想像してみてください。突然、
「月20万円で営業のDX化を支援するコンサルティングを実施しますよ」
と言われて、すぐに決断できるでしょうか?
購入前に
その人が誰なのか
どんな実績があるのか
取引することでどんなメリットがあるのか
といった情報を理解しないことには、なかなか決断しづらいのがコンサルティング型のサービスです。
このように決断しづらいサービスを決断してもらうためには、やはり2段階でアプローチすることが大切です。
まずは、小冊子やホワイトペーパーと呼ばれるダウンロード用PDFを用意して見込み客になってもらうことを狙います。
小冊子のPDF配布やダウンロードと引き換えに会社名や氏名、メールアドレスや電話番号といった個人情報を得て見込み客とすることが第1段階となるわけです。
第1段階をクリアできたら、見込み客に商品やサービスの必要性を理解してもらえるようなコンテンツをメルマガで配信したり、知識提供型のセミナーを実施するなどして商談につなげていきます。
ちなみに、このように情報を提供して顧客の認知や知識を醸成していくことをナーチャリングと言います。
2段階のアプローチは一見すると時間や労力がかかるように思えますが、顧客に決断いただくためには大切な過程であり、それだけの手間暇がかかることを前提とした価格設定が必要になると言えます。
2段階アプローチを効率的に行うことができれば、新規顧客の獲得がスムーズに進み、結果としてBtoB型サービスの売上アップが現実的になっていきます。
2段階での新規顧客の獲得施策一覧
2段階の新規顧客の獲得施策には以下のようなものがあります。
〈見込み客を獲得する施策〉
ウェブ広告(ホワイトペーパーダウンロードやメルマガ登録、資料請求などをSNSやリスティング広告で運用する)
コンテンツマーケティング(ブログやSNS、コーポレートサイトからのホワイトペーパーダウンロードやメルマガ登録、資料請求など)
展示会への出展
セミナー開催
郵送DM
広告(テレビCM、電車やタクシーなどの交通広告、新聞、雑誌など)
テレアポ
飛び込み営業
本の出版
〈見込み客を顧客に変える施策〉
メルマガ
セミナー
相談会、説明会
DM
本の出版
同じ施策でも目的に合わせて異なった使い方をすることもあります。
施策を組み合わせながら効率的な営業活動を目指していくことが大切です。
1段階で顧客を獲得できる商材もある
BtoCにおける住宅などの高額商材は、購入を決断するまでに十分な情報を得たいと考えるのが普通でしょう。
また、BtoBにおける無形商材も、サービスがもたらす効果をすぐにはイメージしづらいため、サービス提供者やサービスの必要性などの情報を集めてから判断したいと考えるのが普通です。
逆に言えば、高額商材やBtoBの無形商材を除いた商材の場合には、2段階のアプローチを必要としないケースもあります。
低価格の商品であれば、その場で判断して購入を決めることが多いはずです。
この場合、見込み客を獲得して、ナーチャリングを実施して成約へ、という労力や時間をかけるよりも、今すぐに購入してもらうことを訴求する広告に費用をかけたほうが賢明と言えます。
あなたの会社の扱う商材は、どんな商材でしょうか?
もし、その場で購入を決断してもらうことが可能であれば、広告費に比例して売上が伸びていく可能性もあります。
そうなれば、2段階での販売を考える必要はありません。
一方、2段階で販売したほうが効率的であるにもかかわらず、1段階で購入してもらうことを目的とした広告を出稿してしまっているのであれば、非効率な営業活動を行っている可能性があります。
1段階にするのか2段階にするのか、あなたの会社で扱う商材に合わせて営業活動を実施していきましょう。
【BtoB×無形商材】は本の出版との相性が抜群
冒頭で述べた通り、新規顧客の獲得において本の出版は効果的な場合もあれば、そうでない場合もあります。
では、どんな企業が本の出版と相性がよいのでしょうか?
まず、商材単価が高額であればあるほど、本の出版との相性がよいと言えます。
どれくらい高額かというと、ざっくりですが10件以下、できたら5件の成約で出版費用の元が取れてしまうくらいの商材単価が理想的だと考えています。
これは、今までサービスを提供してきて
「何件ぐらい顧客が増えれば出版費用を回収できそうですか?」
と尋ねた際に
「5件ぐらいかな」
と、10件以下の成約で費用回収できるとおっしゃった方が圧倒的にリピーターになっていただきやすく、満足度が高かったことに起因しています。
例えば、出版費用に500万円かかるとした場合、1件の新規顧客の獲得で100万円くらいの収益を得られる商材単価となります。
つまり、件数は少なくても1件あたりの収益が大きなサービスを展開する企業のお役に立ちやすいということです。
コンサルティングなど月額顧問契約のような商材の場合はLTV(※)が高くなりやすいこともあり、計算すると1件の新規顧客の獲得で元が取れてしまうケースも多くありました。
(※)LTVとは「顧客生涯価値(Life Time Value)」の略称で、1人の顧客が生涯を通じて企業側にもたらす価値を表します。
1回の取引だけではなく、2回目以降の取引で得られる利益も含まれます。
昨今、新規顧客の獲得が難しくなっていることもあり、売上アップを狙うためにはLTVをいかに上げるかという考え方が大切になってきています。
逆に言うと、出版費用を回収するために相当な数の新規顧客を獲得しなければならないというケースにおいては、本の出版と相性がよくない事業と考えることができます。
もしそうであれば、本の出版以外の施策を考えたほうが賢明でしょう。
費用回収の面から考えると、本の出版はBtoBで労働集約型の無形商材のサービスを扱う事業者との相性がよいことになります。
まずは費用回収を実現し、その後は、ターゲットとなる読者層をずらしながら2作目、3作目に取り組むとよいでしょう。
まとめ
今回は、BtoB×無形商材における新規顧客の獲得方法について、また本の出版と相性のよい企業について解説しました。
【この記事のまとめ】
新規顧客の獲得までの道のりは2段階で考える(見込み客の獲得→顧客化)
低価格の商品など1段階で顧客の獲得ができる場合もある
本の出版と相性がよいのはBtoB×無形商材や高額商材
見込み客を獲得する施策やナーチャリングの施策は日々進化していて、新しいサービスが次々に登場しています。
WEB広告なども日進月歩で進んでおり、さまざまな新しいサービスについつい目移りしてしまいますが、予算や労力が限られることの多い中小企業やベンチャー企業は、やはり最初から数少ない施策に絞って労力を集中させ、ノウハウを蓄積したほうが効率的と言えるでしょう。
調子がよい施策はそのまま続けつつ、ボトルネックとなっているところや、時間を短縮したいと考えているところを「本の出版」に置き換えてみる、といった方法も検討してみてください。
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