企業出版する前に考えておくべきこと6選

企業出版する前に考えておくべきこと6選

企業出版に取り組む目的は、人に関する課題解決や営業時の成約率アップ、売上アップ、またブランディングやマーケティング目的など、非常に多岐に渡ります。

今回は、新規顧客の獲得を目的とした企業出版プロジェクトを前提に、スタート前の準備項目を確認していきます。

【この記事でわかること】

  • 出版前に考えておくべきこと6つとその解説

記事の目次


    出版が決まってもすぐにスタートするわけではない


    企業出版をすることが決まったら、さっそくプロジェクトをスタートしようと考えると思います。


    実は、企業出版の場合はプロジェクトスタート前にあらかじめ考えておくべきことがあります。


    突然出版企画を立案したり、原稿を書き始めたりするのではなく、まずは予算やメンバー、出版後の使い方など目的に関わる項目を固めていきましょう。


    一度紙に書き出してまとめるのもおすすめです。


    出版前に考えておくべきこと


    それでは、出版プロジェクトをスタートする前に考えておくべきことを6つ紹介していきます。


    1.予算を見積もっておく

    まずは出版社に連絡をして、企業出版プロジェクトにかかるおおよその費用を把握しておく必要があります。


    複数の出版社に話を聞くことで、それぞれの出版社の考え方や得意分野の違いがわかりやすくなりますし、話をすることでつくりたい本がまとまっていくことも多いです。


    ただ、出版社を選ぶ際には注意も必要です。

    出版社の多くは本をつくるところまでしか考えてくれないからです。


    企業出版プロジェクトにおいてはどんな本をつくるのかも大切ですが、それと同じぐらいにつくった本をどう使うのかが大切です。


    費用の面を考える際には本づくりにかかる費用だけではなく、本をつくった後の広告費用なども含めたトータル費用を考えて予算を組んでおくようにしましょう。


    2.チームを作る

    企業出版プロジェクトは複数人のチームで進めていくことが多いです。


    最低限必要なメンバーは出版社の担当者著者(多くの場合で経営者)ですが、営業時に使う本をつくる場合であれば営業社員からも意見を聞いておく必要があるでしょうし、出版後の活用のために、広報担当者マーケティング担当者にも協力してもらうこともあるでしょう。


    協力を求める可能性がある人には、プロジェクトのキックオフ段階で、どのような本をつくって活用していくのかについてのビジョンを共有しておくことをおすすめします。


    3.理想の顧客の整理

    あなたの会社が理想としている顧客はどのような顧客でしょうか。


    すぐに思いつく顧客がいれば考えやすいですが、あなたの提供するサービスが、あなたが理想としている顧客が求めているものと一致しているのかについてはよく考えておく必要があります。


    例えば、理想の顧客として年商1000億円を超えている大企業を想定したとします。

    そうした企業は取引金額こそ大きいですが、フットワークが重いことも多く、意思決定までに時間がかかる可能性が高いです。


    また新しいサービスの導入においても、極力既存の取引先から選ぶことが多かったり、取引を始めるにあたっての審査が複雑だったらどうなるでしょうか?


    労力がかかる割には、取引が始まらなかったり、始まったとしてもプロジェクトがスムーズに進まないというケースもあるかもしれません。


    取引金額は魅力的かもしれませんが、スムーズな取引開始と進み方を考えると、価格を抑えた上で少しでも多くの中小企業にサービスを導入してもらうことが理想的な場合も考えられます。



    一度、理想だなと思える顧客と出会うと、どうしても同様の顧客を探したいと考えてしまうものです。


    でも、それがたまたま取引開始につながったケースで再現性がなければ、労力ばかりかかって新たな顧客を獲得できないという事態にもなってしまいかねません。


    理想の顧客を考えることは大切ですが、同様の顧客を獲得できるか、つまり再現性があるかどうかも大切です。


    これから本づくりを進める場合には、一事例から理想の顧客を決めるのではなく、複数の事例から俯瞰的に理想の顧客を決めていきましょう。


    4.会社の強みの整理

    あなたの会社の強みはなんでしょうか?


    もしすぐに答えることができるのであれば、きっと新規顧客の獲得に有効な本がつくりやすいはずです(逆もまた然りですが)。


    稀に、

    うちには特に強みなんてないですよ

    という方がいらっしゃいますが、強みがないことはまずありません。


    手厚いアフターフォローが強みになっていることもあれば、ストレスのないスピーディーなコミュニケーションが取れることが強みとなって選ばれることもあるでしょう。


    会社の強みをしっかりと伝えることができれば、選ばれやすくなることは言うまでもありませんが、そもそも社内で考えている強みと顧客が感じている強みが異なっていることも実は多いものです。


    こうしたミスマッチをなくすために有効な手段は、なんといっても顧客に聞いてみるということに尽きます。


    可能であれば、本づくりを進める前に、顧客がなぜあなたの会社を選んでくれたのかについて聞いてみてください。


    うちは~~が苦手でそこを代行してくれるから魅力的だった

    まとめてやってもらえるから助かった

    と、きっとさまざまな理由が出てくることでしょう。



    あなたの会社の強みと理想の顧客が求めていることが一致すれば、それは新規顧客獲得の突破口を見出せた瞬間かもしれません。

    あとは、その強みをわかりやすく伝えられる出版企画を考えていきましょう。


    5.価格設定は適切か考えてみる

    経営の神様と言われる京セラ創業者の稲盛和夫氏は、「値決めは経営」と説いていました。


    利益を大きくするためには、単純にかかる費用(原価)を極力抑えた上で売価を高くするという方法が一般的です。

    要するに付加価値を高めるわけですが、この効果は想像以上に大きいものです。


    この記事では新規顧客の獲得を前提にお話ししていますが、利益を確保したいという観点から考えると、実はサービスの提供価格を上げるだけで課題が解決することもあります。


    安いことが顧客にとってよいことだと考えるがあまり、赤字でサービスを提供してしまっているという笑えない状況も実はよくあるのではないでしょうか。


    粗利益率の向上は新規顧客の獲得にかけられる費用を上昇させることにもつながるため、ここでサービスの提供価格を上げることについて一度考えてみましょう。


    例えば、商材単価350万円で年間20件販売、1件のサービス提供にかかる原価が200万円だとすると

    (350万 - 200万円)× 20件 = 3000万円が粗利

    となりますね。


    もし、原価を変えることなく商材単価を500万円とすることができたらどうなるでしょうか。

    (500万 - 200万円)× 20件 = 6000万円が粗利

    ということになります。

    商材単価アップによる粗利の変動を比較した図

    原価を上げることなく販売価格を上げることができれば、かなり粗利を増やすことが可能になるということがわかると思います。


    粗利を増やすことができれば、サービスをより充実させることができますし、販売する数を減らしても同じ粗利を確保できるのであれば、社員の心や気持ちにもゆとりができ、結果としてサービスの顧客満足度の向上につながるかもしれません。


    付加価値を上げることで社員の給料を上げることができれば、社員の満足度向上や、採用力強化の効果も期待することができます。


    実際、高付加価値戦略を採用しているキーエンスという上場企業は、他社にない商品であることを武器にして80%を超える驚異的な粗利益率を誇っており、社員の平均年収が高い企業ランキングで常に上位に名前が掲載されています。


    サービスの提供価格を上げることは簡単ではないと言われますが、どうやったらそれを実現できるのかについて考えて実行することは、持続可能な安定した経営のために今後必要不可欠と言えるのではないでしょうか。


    6.サービス設定は適切か考えてみる

    価格だけではなく、サービスについても考える必要があります。


    サービスを充実させれば、提供価格を高額にしやすくなりますが、一方で手間が増えることによってサービスの質が落ちてしまうことも起こり得ます。


    BtoB企業ではありませんが、私が好きなカツ丼屋さんでメニューがカツ丼だけというお店があります。

    他にも色々メニューがあれば顧客単価を上げることができるかもしれませんが、カツ丼だけに絞っているからこそ、オペレーションがスムーズで、会計時のミスも減るといった効果もあります。


    サービスは増やしすぎても、また減らしすぎてもよくありません


    現状のサービス設定は適正でしょうか?

    例えば、一度だけ顧客からの要望があったがために、労力の割に儲からない、本業とは別のオプションが増えてしまっているということもありえます。


    提供しているサービスを減らすのはなかなか勇気のいることではありますが、オペレーションの効率化社員の負担軽減のために、サービスが適切であるかについて現場社員と一緒になって検討してみると思わぬ発見があるかもしれません。


    新規顧客の獲得を本の出版で実現するために


    以上が、企業出版プロジェクトのスタート前にチェックしておくべきことです。


    出版プロジェクトから少し離れた内容もありましたが、どれも新規顧客の獲得を実現するためにあらかじめ考えておくことで、成功の可能性を大きく上げることにつながると考えています。


    もちろん、大前提として顧客の獲得=利益が上がるという状態はあらかじめつくっておく必要があります。


    出版を機に、あらためて自社の商品・サービスや顧客のことについて整理してみてはいかがでしょうか。


    さいごに


    今回は、企業出版プロジェクトのスタート前に考えておくべきことについて解説しました。


    出版前に考えておくべきことリスト

    ▶今回のまとめ

    ぜひ活用してみてください!

    企業出版は目的ファーストで取り組むべきプロジェクトです。

    最初にしっかりと目的を定め、その目的を見据え続けながらプロジェクトを進めていきましょう!


    ラーニングスでは、出版企画や戦略づくりから出版後の活用方法まで、企業出版のサポートをしております。

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    梶田洋平

    出版社ラーニングス株式会社 代表取締役

    慶応義塾大学卒業後、証券会社に入社し法人・リテールの営業活動に尽力。退社後、2017年7月にラーニングス株式会社を設立。はじめて本を出版する企業や個人事業主の方を対象とした事業を展開する。これまで自身が著者として出版した本は16冊、読んできたビジネス書は3,000冊以上。

    https://www.learnings.co.jp/
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