想定ターゲットに合わせて新規開拓の本を作っていこう

ラーニングスでは、本を新規開拓のツールとして利用する「ブックDM」というサービスを展開しております。

ブックDMで作る本は通常の書店に並ぶ、言ってみればマス向けの本とは違います。

特定の顧客層にズバリ刺さる本を作って、それをDMで送るという手法です。

今回は、

  • どのような考え方で本づくりを進めていけばよいのか

  • 1タイトルだけではなく2タイトル目、3タイトル目と展開していくメリット

について紹介していきます。

記事の目次

    書店に並ぶ本はマスをターゲットにしているため社員向きが多い

    書店に並ぶ本とブックDMで送る本は、違う考え方で本づくりを進める必要があります

    まずは書店に並ぶ本の例として、私が過去に出版した本を見てみましょう。

    2017/8/31出版

    7日でマスター 株チャートがおもしろいくらいわかる本

    梶田洋平 (著)


    タイトルからも分かる通り、この本は株式投資を始めようと考えている初心者を対象とした本で、マス層に向けた本であることが分かると思います。


    こちらの本は、商業出版と言う形式で、本が売れれば出版社が儲かり、著者にも少しの印税が入るという費用体系になっています。

    本の売上がそのまま収益源となるため、売れる本を目指して作られているというのが特徴です。


    この本を作るために出版社は営業や編集にかかる人件費、印刷費など合計すると数百万円の費用が掛かっていますが、この金額を一冊1,500円~2,000円ぐらいの売上の積み重ねで費用回収を狙わなければなりません。

    単純計算でも数千冊以上は売れる必要が出てくることがわかりますね。


    書店に並ぶ本は最初に印刷製本する初版分が売れてやっと収益トントン、増刷がかかってやっと黒字になるといったイメージになってくるため、必然的にマス向けの本となりやすいわけです。


    ブックDMの想定読者ターゲットは狭くてよい

    書店に並ぶ本がマス向けの本である一方で、ブックDMで作る本はむしろニッチな層にズバリ刺さる必要があります。

    というのも、意思決定者に

    「このサービスは面白そうだ」

    「少し話を聞いてみたい」

    と思ってもらうことが大切だからです。


    読者ターゲットは経営者など、マスに比べるとかなり少ない層に向けた本になります。

    ブックDM マス向けの本

    ターゲットとしている人数は少ないですが、ブックDMの場合はそもそも本の売上を当てにしていないため、多くの方にとって興味がないコンテンツでも問題はありません。


    一方で、経営者の悩みや課題を解決できるようなコンテンツであったり、ノウハウを提供することが大切になります。

    特定の業種の経営者に絞り、特定の悩みを解決するための本といった作り方も考えられます。


    例えば、採用や人材育成コンサルティングの会社が

    「いい人が採れない!」と嘆く2代目社長のための新卒採用戦略

    といった本を出してみるとどうでしょうか?

    • 2代目社長

    • 中途採用でよい人が採れないと考えている人向け

    と、かなり絞り込んだ読者ターゲットですが、この本をブックDMで届ければ興味を持って読んでもらえる可能性が高まります。


    もちろん、書店にこの本を並べても見つけてもらいづらく、売れる本にはならないと予想できます。


    無料で配るからこそ読者ターゲットを狭く設定できる

    そもそも、ブックDMでは買ってもらうということを前提としておりません。

    むしろ、無料でも配布して新しい考えを啓蒙したり、興味を持ってもらうという役割を本に託すことになります。


    書店に並ぶ本のようにマス向けでないからこそ、思い切った企画ができますし、そもそも送付先のリストを考えた上でどんな本にするかを考えることで、書店に並ぶ本に比べて想定する読者に寄り添ったコンテンツにできます。


    本の売上が大事と考えればこのような作り方はできないはずで、逆に言えばブックDMの本は特定のターゲットをクライアントにするために特化することが可能となります。


    狭くする代わりに複数タイトル出版がおすすめ

    特定の読者ターゲットに特化すると考えれば、それ以外の顧客は無視するのかという疑問もわいてくるかもしれません。


    確かに、先ほどの例のように
    『「いい人が採れない!」と嘆く2代目社長のための新卒採用戦略』
    というタイトルにしてしまうと、そもそも2代目社長以外向きの本ではなく、新卒採用に全く興味がない相手からしたら刺さらない本になってしまうことが想定されます。

    採用や人材育成コンサルティングの会社であれば、社員教育なども実施しているケースも多いと思いますが、先ほどの本では新卒採用以外のサービスにはつながりづらくなっています。


    ではどうするかというと、また改めて読者ターゲットを絞り込んでリストを作成してその読者に向けた本を作りなしてブックDMで無料配布していくという方法が理想です。

    例えば、
    『社員30名まで増えた会社が伸び悩む理由』
    という本を、それぐらいの社員数の企業リストに送るとどうでしょう。

    社員30人ぐらいあれば、社員教育にかける費用も用意できる可能性がありますし、先ほどの『「いい人が採れない!」と嘆く2代目社長のための新卒採用戦略』とは違った企業リストの開拓に適した本となります。


    書店展開の本は、1冊の本でたくさんの人に読んでもらえるかを目指しますが、ブックDMでは複数の本を出版し、それぞれの本で特定のクライアントに興味を持ってもらえることを目指すのです。


    ブックDMの費用目安の考え方

    最後にブックDMで本を印刷製本する費用の目安、考え方を紹介します。

    商材単価や印刷製本費用等はあくまでも目安ですが、投資対効果の考え方の参考として読んでいただければと思います。


    例えばLTVで300万円の商材を持つ企業が、5000件のリストを用意して、5000冊の印刷製本を郵送する場合を考えてみます。


    あくまでも目安ですが、

    5,000冊の印刷製本費用:120万円

    5,000冊の梱包及び郵送費用:250万円

    合計:370万円

    となります。


    この5,000件から70件の商談を生み出して、10件成約するとなると

    10×300万円=3,000万円


    370万円の投資で3,000万円得られることになれば、投資としては上出来となる企業もあるはずです。


    もちろん、商材単価は企業によって異なりますし、印刷製本費用もページ数や仕様によって異なりますが、投資対効果の考え方として紹介させていただきました。


    本として展開するのはあり

    ここまで、ブックDMは書店に並ぶ本とは違う作り方で取り組んだ方が、結果として成果が出やすいと考えておりますが、それでも本として販売していけないわけではありません。

    読みたいと思ってもらえれば、問い合わせにつながって売上アップを実現できる可能性もあります。


    ただ、読んでもらいたい人に見つけてもらい、さらに買ってもらうというのがなかなか難しいのも事実です。

    まずは、顧客リストと、その顧客にどんな本を読んでもらえれば自社のサービスに興味を持ってもらえるのかを考えてみるところから始めてみてはいかがでしょうか?



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    梶田洋平

    出版社ラーニングス株式会社 代表取締役

    慶応義塾大学卒業後、証券会社に入社し法人・リテールの営業活動に尽力。退社後、2017年7月にラーニングス株式会社を設立。はじめて本を出版する企業や個人事業主の方を対象とした事業を展開する。これまで自身が著者として出版した本は16冊、読んできたビジネス書は3,000冊以上。

    https://www.learnings.co.jp/
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