企業出版の成果を最大化させる!効果的な本の使い方
企業出版に取り組むうえで、「どんな本をつくるのか」は重要なポイントとなりますが、出版の成果を最大化するためには、実は他にも大切な要素があります。
それは「どのように使うか」ということです。
目的を見据えて読者を考えたうえで出版企画を練り、ようやく完成した本が、もし誰にも活用されず、誰にも読んでもらえず、ただ倉庫に積まれているだけだとしたら、十分な成果は出ると思いますか?
きっと、思い描いていた結果にはならないでしょう。
そこで今回は
企業出版の主な目的
出版後にどのように本を使っていけばいいのか
について解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください!
記事の目次
企業出版の目的はさまざま
まず本題に入る前に、そもそもどのような目的で企業出版がされるのか、簡単にご紹介したいと思います。
ラーニングスでは、出版企画を考える際、目的を一つに絞って考えていくようにお伝えしています。
出版目的はさまざまありますが、主なものとしては
ブランディング
周年事業の一環
マーケティング
採用活動
社員教育
営業強化
などが挙げられます。
企業出版は、基本的に「本をつくる」ことが目的ではなく、「出版を通して経営課題の解決を目指す」ことを目的として出版されます。
つまり、出版目的=企業の解決したい経営課題ということになります。
当然、経営課題は企業によってそれぞれ違いますから、その出版目的も多岐に渡るというわけです。
企業出版の効果的な使い方の例
先述した企業出版の目的の中から、特に多いものを3つにまとめました。
採用や社員教育(人材力向上)
ブランディング(認知度向上)
マーケティングや成約率(売上向上)
それぞれ効果的な使い方の例を解説していきます。
1.採用や社員教育(人材力向上)目的の際の本の使い方の例
採用や社員教育目的でつくられた本は、どのように使っていくのが適切でしょうか。
「採用目的」と「社員教育目的」にわけて考えていきましょう。
A:採用目的の本の場合
採用目的の本の場合は、当然ですが、就職を希望する人に読んでもらわなければいけません。
新卒採用を大々的に実施しているか、ある程度知名度の高い大手企業の場合であれば、全国の書店に本を展開して、会社の考え方や価値観を広く伝えることを検討するとよいでしょう。
一方で、知名度がそこまで高くない企業の場合、不特定多数の人を対象としている書店に本を展開しても効果はそこまで期待できません。
知名度がそこまで高くない場合は、幅広く展開するよりも特定の就職活動中の人に読んでもらうという使い方を考えるべきです。
例えば、会社説明会やカジュアル面談、面接の際に本を手渡すという使い方を検討してみましょう。
会社のパンフレットなどを渡す会社は多いかもしれませんが、本を渡す会社は多くはありません。
会社説明会の帰りの電車内などで本を読んでもらうことによって、理念に共感したうえで応募してきてくれる人の増加が期待できますし、必要最低限の少ない部数だけ印刷製本すればいいので、費用を抑えることができます。
採用サイトや採用ページに、
「会社説明会の参加者には●●株式会社のことがよくわかる本をプレゼントしています!」
などと告知するのも効果的でしょう。
B:社員教育目的の本の場合
社員教育目的の本の場合にも、多額の費用をかけてまで全国の書店に本を流通させる必要はありません。
そもそも買ってもらうことを考えるのではなく、社員やその家族に配布することをおすすめします。
もちろん、本を配って「読んでおいて」と伝えるだけではなかなか読んでもらえません。
そのため、理念共有会議といった場を用意して複数人で本の読み合わせをしたり、社長自ら伝えていくという時間を用意することを考えましょう。
社員と上司の1on1の機会にビジョンブックの読み合わせをするのもおすすめです。
ちなみに、ラーニングスでもビジョンブックをつくって、活用しています。
営業会議の際に読み合わせをしたり、1on1の時にはビジョンブックのメモ欄に聞きたいことや共有したいことなどを書き込むコミュニケーションツールとして利用して効果を感じています。
「経営者である自分の考え方を理解して社員が自ら判断して行動してくれる会社を目指したい」と考える社長は多いですが、そのためにはツールと教育に力を入れることが大切です。
2.ブランディング(認知度向上)目的の際の本の使い方の例
次にブランディング目的の場合の使い方の例を見ていきましょう。
ブランディングを目的とした場合には、顧客中心でニーズに対応する「マーケットイン」の考え方よりも、自身を見つめなおして、ありたい姿を発信していく「プロダクトアウト」の考え方で本づくりに取り組むケースが多いです。
とはいえ、顧客を完全に無視するというわけではありません。
あくまでもブランディングは独りよがりのものではなく、顧客から選ばれやすくなるためのものです。
ブランディングには採用ブランディング、インナーブランディング、アウターブランディングがありますが、どのブランディング目的であったとしても、配布するなどして読んでもらうことがまず考えるべき使い方でしょう。
ただ、採用ブランディングやインナーブランディングの際は配布だけで使うというのも一手ですが、アウターブランディングを目的として利用する場合には書店展開がおすすめです。
書店に並んでいるということは、出版社や書店という、自社以外のいってみれば第三者の目を通したうえで発売されているという事実を認識してもらえることになります。
第三者の目を通して出版されているという事実は、ブランディングにおいて非常に価値があります。
採用活動での応募者や会社の関係者への配布、書店展開以外に加えて、本を出版しているという事実の発信も大切です。
プレスリリースを発行したり、メルマガや会社のホームページや会社案内でも出版しているという事実を発信していきましょう!
参考記事:出版したら書店流通すべき?書店営業~出版後の書籍の活用方法について深堀り
3.マーケティングや成約率(売上向上)目的の際の本の使い方の例
最後にマーケティングや成約率など、売上向上施策のために企業出版に取り組む場合の本の使い方について見ていきましょう。
こちらも「マーケティング目的」と「成約率(売上向上)目的」にわけて考えていきます。
A:マーケティング目的の本の場合
マーケティング目的の場合は、本をツールとして利用して顧客から問い合わせをいただいたり、興味を持っていただく必要があります。
そのため、「本を読んでもらった後にどんな行動をしてもらいたいか」をわかりやすくしておく必要があります。
また、本をいかにして読んでもらうかについて、知恵を絞る必要があります。
そもそもあなたが本を読む時、そこに至るまでの行動の流れはどうなっているでしょうか。
【本を読むまでの大まかな流れ】
必要性を感じる
↓
ネット上や書店などで調べる
↓
本を見つける
↓
(ネットで見つけた場合は書店に行く)
↓
立ち読みしたり、本の内容紹介、レビューなどを読む
↓
買うかどうか検討する
↓
本を買う
↓
本を読む
本を読むという段階に至るまでにはたくさんのステップを踏んでいることがわかりますね。
わざわざお金を払ってまで情報を得たいと思うほど気持ちが高まらなければ、本を買って読んでもらう段階まではたどり着きません。
では、マーケティング目的で本を使うことはできないのかというと、そんなことはありません。
確かに買って読んでもらうためにはたくさんのハードルがあるため、そこまでのマーケティング活動すら大変です。
そのうえ、読んでもらって行動に移してもらうことを考えると、一見すると本はマーケティングツールとしては適切ではないような印象を持つでしょう。
でも、無料で配布してしまえば先ほどの過程をカットすることができます。
つまり、マーケティング活動の一環で本を使う場合には、あくまでも本はツールとして使っていくという考え方が基本となります。
本来の商業出版における一般的な流れは、
興味を持ってもらう
↓
本を買ってもらう
となるのが一般的ですが、マーケティング目的の場合には
本を読んでもらう
↓
あなたの会社やサービスに興味を持ってもらう
という流れを考えなければならないのです。
本を買ってもらうことも大切ですが、マーケティング目的の出版の場合には
展示会で配る
本をDMとしてハウスリストに送付する
メルマガやSNSで本の無料プレゼントキャンペーンを行う
本の無料プレゼントor低価格販売のキャンペーンランディングページを作って広告運用する
といった使い方を検討していくとよいでしょう。
ここでは、買ってもらうよりも、配布することでまずは読んでもらい、そのうえで自社や自社サービスに興味を持ってもらうことがマーケティング目的の企業出版の基本的な使い方と覚えておきましょう。
B:成約率(売上向上)目的の本の場合
成約率アップを目的としている場合についても、マーケティングの場合と同様に配布して使うことが大切です。
前提として、どうすれば成約率が向上するのかについて既存顧客へのヒアリングや過去の失注理由の振り返りを実施し、成約率をアップさせるためのコンテンツを本に含めておく必要はありますが、それが実現できている本をつくれば業績に大きなプラスをもたらします。
使い方としては、まずは商談時に手渡すという使い方が一般的です。
商談後は社内で検討されたり同業他社と相見積もりになることが多いですが、その際に本があると選ばれやすくなり、成約率アップの効果が期待できます。
また、商談前にあらかじめ郵送で送っておくのも有効な使い方です。
商談前に本を読んでおいてもらえれば、疑問点などが明確になり、商談が疑問解決の時間に使えることになるため、成約までの時間短縮や成約率アップの効果が期待できます。
成約率アップのための本を使って成約数が年間あと5~10件増えたらどうなるでしょうか?
その効果が5年、10年と続けばどうなるでしょうか?
特に、オンライン上だけでは成約まで完結しづらい高単価の商材の場合には、成約率アップを目的とした企業出版が非常に効果的です。
数件の成約で企業出版にかかる費用回収ができてしまうという商材のケースの場合は、ぜひ検討してみてください!
関連記事:なぜ、本を出版して見込み客に配ると成約率が上がるのか?7つの理由
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は
企業出版の主な目的
出版後にどのように本を使っていけばいいのか
について解説しました。
今回ご紹介した使い方は、どの方法が優れているというわけではなく、会社や商材に合わせてアレンジして使っていくことが大切です。
ポイントは、企業出版プロジェクトを始める前に出版後の使い方まで考えておくこと。
初期段階で一度、綿密な計画を立てておくことをおすすめします!
参考記事:企業出版の本を営業ツールとして活用する方法と注意点
参考記事:企業出版を最大限活用するため事前にチェックするべき5つのポイント
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