出版は事前準備が9割|企業出版プロジェクトにかかる時間の目安

売上アップのための企業出版に取り組むと決めた際には、どのような手順とスケジュールを立ててスタートを切ることになるのでしょうか?

今回は、

  • 出版の事前準備の重要性

  • 出版プロジェクトのスケジュールの立て方やかかる期間の目安

  • 企業出版に取り組む手順

を紹介していきます。

具体的なプロジェクトの進め方については、ラーニングスによる企業出版プロジェクトの進め方をご紹介の記事が参考になりますので、ぜひ合わせてご覧ください。

記事の目次

    出版に取り組むならできるだけ早いほうがいい

    企業出版に取り組むタイミングはいつが良いですかと聞かれることがありますが、基本的にはすぐに取り組むのがよいとお伝えします。

    もちろん、出版できるだけの業歴やノウハウがあることは大前提ではありますが、その条件が整っているのであればすぐに取り組むべきと考えていただきたいです。

    というのも、早く出版すればするほどその効果を早く得られることができ、成長スピードも速くなるからです。

    締め切りがあるからいい本ができる場合も

    また、ゆっくり取り組めば必ずしもクオリティが上がるものではないというのも出版の面白いところです。

    実際、

    「展示会に出展するから、それに間に合うように5か月で出版したい」

    というケースや、

    「進学支援に関するサービスで、1~4 月に生徒を獲得できなければ1年間の売上計画に多大な影響が出てしまうから、それまでに出版したい」

    といった、いわば締め切りがあることも多いです。

    締め切りがなければもっといい本ができるというわけではなく、締め切りがあるからこそ、そこに向けてベストを尽くそうと集中して取り組むことができ、成果の上がる本が出版できるというケースが少なくないのです。

    もちろん、無理な締め切りやスケジュールは禁物ですが、

    • 早めに始めること

    • スケジュール(締め切り)をあらかじめ設定しておくこと

    の2点を頭に入れながら読み進めていただければ幸いです。

    出版ははじめる前が9割

    売上アップを目的とした企業出版では、出版前の戦略と計画が成否を決めます

    特に、経営者を含めて2~5人が関わることが珍しくないのが企業出版のプロジェクトです。

    出版前に戦略と計画が決まっていなければ、関係者全員の目指している方向が一致せず、そのまま進めると空中分解となってしまいかねません。

    これは、大学受験とよく似ています。

    とりあえず勉強していて受けたら最高の結果が出た、ということは非常に起こりにくいものです。

    特に難関校を目指せば目指すほど効率的に受験勉強を進めていく必要があります。

    • どの大学、学部を目指すのか

    • 受験科目は何があるのか

    • よく出題される分野や問題の形式にはどのようなものがあるのか

      必要とされている力を身に着けるためにはどんな勉強が必要か

    • 参考書を何を使えばよいのか

    • いつまでにどのレベルまで学習を進めるべきなのか

    といったことをあらかじめ決めて、プロジェクトをスタートさせるという意識が必要なのです。

    ただ、まったく逆のことを言ってしまいますが、完璧な戦略や計画を立てようとし過ぎるのもまたよくありません

    完璧な戦略や計画を立てようとするとそれだけで膨大な時間と労力がかかってしまいますし、プロジェクトが進むにつれて考えが変わったり新たな発見があって軌道修正を図ることもよくあるためです。

    戦略や計画を立てるべきと言ったり、完璧な戦略や計画は難しいと言ったたため、少し頭がこんがらがってしまったかもしれませんが、ここではとりあえず「出版は始める前が大切である」ということだけ覚えておいて下さい

    読者ターゲットと出版企画を決定する

    まず考えるべきなのは、読者ターゲットと出版企画を決定することです。

    売上アップを目標とする場合には、大多数の人が好む売れる本を狙わないことが大切です。

    アイデアを得ようと書店に行ってみると、どうしてもマス向けの本が並んでいて影響を受けてしまうものです。

    最初は書店に行くよりは、

    • ターゲットは潜在顧客か、顕在顧客か

    • サービスの認知度は低いか、高いか

    という視点を基に、自身で出版企画を考えるとよいでしょう。

    本の企画の立て方については、顧客層とサービス認知度の掛け算で売上アップ企画を考えようで具体的に解説しています。

    スケジュールを立てる

    次に考えるべきは、スケジュールです。

    スケジュールはおおよそ6~8か月ぐらいの期間をかけるのが一般的ですが、出版形態(書店流通の有無など)や原稿の執筆を自ら行うのか、それともライターを利用するのかで大きく異なってきます

    企業出版の場合は、ヒアリング取材に基づいてライターが原稿執筆を行うのが一般的であるため、今回はそれを前提に大まかなスケジュールを立てると以下のようになります。

    ( )内は、今プロジェクトを開始した場合のおおよそのスケジュール目安になっています。

    1. 読者ターゲットと出版企画(1か月後)

    2. ヒアリング取材を実行してライターに原稿を書いてもらう(ヒアリング取材2か月後:ライター原稿3か月後)

    3. 足りないところを追加ヒアリング取材(4か月後)

    4. 編集と校正作業(5.5か月後)

    5. 表紙やタイトルを決めよう(6か月後)

    6. 書店営業を実施後に出版!活用が大切(7~8か月後)

    上記が平均的なスケジュールの目安です。

    ざっくりと、今から8か月後ぐらいに出版するイメージになります。

    ただ、先ほども紹介したように、展示会の出展の予定があって配布して使いたい場合など、特殊な事情がある場合には5~6か月での短期間で出版を目指すスケジュールで進めていくこともあります。

    まとめ

    プロジェクトが進む中で新たな気づき、アイデアが生まれ方向性を変えたくなるというのはよくあることです。

    無理なく進めるためには8か月ぐらいの余裕を持ったスケジュールを立て、完璧を目指しすぎずに計画を進めていくことが重要です。

    「このイベントまでに出版したい!」などという事情がある場合も、ぜひお気軽にご相談いただければと思います。


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    梶田洋平

    出版社ラーニングス株式会社 代表取締役

    慶応義塾大学卒業後、証券会社に入社し法人・リテールの営業活動に尽力。退社後、2017年7月にラーニングス株式会社を設立。はじめて本を出版する企業や個人事業主の方を対象とした事業を展開する。これまで自身が著者として出版した本は16冊、読んできたビジネス書は3,000冊以上。

    https://www.learnings.co.jp/
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