【3段階で解説】企業出版プロジェクトの全体の流れについて
企業出版プロジェクトは、○年△月□日までに用意したいといったように、期限があることが多いものです。
例えば展示会に出展する予定があり、そこで使いたいなどのケースです。
仮にそこまで明確な期限がなくても、ある程度の期限の目安があるとうまく進行していくものでもあるため、いつまでに完成させるという目標をあらかじめ考えてスタートしましょう!
今回は、企業出版プロジェクト全体の大まかな流れについて解説します。
ぜひご覧ください!
記事の目次
本づくりの大まかな流れとは
本づくりの大まかな流れは、大きくわけて下記の3つの段階があります。
企画の段階
製作の段階
プロモーションや活用の段階
順を追って見ていきましょう。
1.企画の段階
最初にやるべきことは出版企画やスケジュールなど、計画を立てる段階です。
企画書の考え方や例を詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください!
企業出版の読者ターゲットは認知度×見込み度の4つの属性から考えよう
出版企画書の例と活用方法|認知度×見込み度の4つの属性別に解説
まずは、ターゲットを誰にするのかを見込みの度合いと認知度のかけ算で考え、そのターゲットにどのような変化をもたらしたいのかを考えて出版企画を立案することが大切です。
併せて出版後にどのように使っていくのかについてもあらかじめ決めておきましょう。
特に新規顧客の獲得目的の出版においては、
どのような本をつくるのか
つくった本をどう使うのか
の2点についてプロジェクト関係者全員が共有しておくべき情報です。
出版企画を考えたら、スケジュールを考えていきます。
企業出版はプロジェクトスタートからおおよそ半年~8か月くらいの期間がかかることが一般的です。
ヒアリング取材(1~2か月程度)
ライティング(1~2か月程度)
追加取材&ライティング(1か月程度)
編集・校正(1か月程度)
タイトルや表紙の決定(1~2か月程度)
印刷製本(1か月程度)
といったイメージです。
マイルストーン代わりに各段階の締め切り日を決定しておくことで、プロジェクトがスムーズに進んでいくようになります。
2.製作の段階
企画の段階が終わったら製作の段階へと進んでいきます。
製作は以下の順に進んでいきます。
① ヒアリング取材
② ライティング
③ 追加取材&ライティング
④ 編集・校正
⑤ タイトルや表紙の決定
⑥ 印刷製本
これらの工程やかかる期間については、どの出版社であっても大きく変わることはありません。
逆に言えば、一緒にプロジェクトを進めていく出版社を決める場合には、「1.企画の段階」「3.プロモーションや活用の段階」の2つの段階の提案を比べて決めていくとよいでしょう。
それでは、各過程について詳しく見ていきましょう。
① ヒアリング取材
まずは、出版企画書に基づいてヒアリング取材を行っていきます。
基本的には、まず経営者への取材を実施するとよいでしょう。
また、セミナーを実施している場合にはその動画を提供したり、ブログやYouTube、社内報などの素材も積極的に提供していきます。
原稿を執筆するライターは文章を書くプロフェッショナルではありますが、基本的に取材や提供された素材を基に文章をつくります。
ある情報はできる限り提供して、たくさんの中から取捨選択してもらいながら原稿を作成してもらうことが大切です。
② ライティング
ヒアリング取材やセミナー動画や社内報など、提供した素材を基にライターが原稿を執筆します。
おおよそ、1~2か月くらいで原稿が仕上がるのが一般的です。
稀にライターを使うことを提案すると拒否反応を示されることがあります。
どうしても、ゴーストライターというとイメージがよくない気がして抵抗感が強いのかもしれません。
しかし、実は企業出版の場合、ライターを使って原稿をつくることがほとんどです。
場合によっては経営者自らが原稿を執筆することもありますが、その場合でもライターや編集者が読みやすくリライトして原稿をつくることが多く、読みやすい文章を書くことに長けているライターとオリジナルコンテンツを提供してくれる会社や経営者がコラボして初めて有用性の高い本ができると考えています。
また、貴重な経営者の時間が、慣れない本の原稿執筆に使われるというのも適切ではない可能性があります。
経営者の時間は会社の目指すべき方向を考えたり、それに向けた経営戦略を立てることにこそ使われるべきであり、原稿執筆に時間を奪われてしまうと本業にとってマイナスとなってしまいかねないためです。
なお、もしライターの文章のテイストなどが気になる場合には、最初に1章分だけ執筆してもらい、その原稿をチェックした後に続きを執筆してもらうといった手順を踏むことで、全部の原稿を書き直すことになるというリスクを回避できるのでおすすめです。
(参考記事:企業出版でゴーストライターを使う3つの理由)
③ 追加取材&ライティング
最初に上がってきた原稿が、加筆修正なくOKとなることはそこまで多くはありません。
ライターから部分的に追加取材をして詳しく説明してもらいたいという申し出があることも多く、話し忘れたことや追記したいことがあれば追加取材をして原稿の完成度を上げていくという工程が必要になります。
また、原稿を読むと、別の事例のほうがわかりやすいな、というように新しいアイディアが出てくることも少なくありません。
あまりにもたくさんの追加があると、そもそも最初の出版企画書と離れていってしまうこともあるので注意は必要ですが、プロジェクトのメンバーで意見を交わしながら原稿の完成度を上げていきましょう。
④ 編集・校正
原稿の完成が近づいてきたら、ライターの手を離れて出版社の編集者が、編集・校正作業を行う段階へと進んでいきます。
編集者は、誤字脱字を目視チェックで減らしていきながら、場合によっては章の構成を変更することもあります。
出版社側と著者側で何度も原稿をやり取りしながら、2稿、3稿と校正作業を進めていきます。
4稿、5稿となってもまだミスが見つかることもあるので、回数を重ねることが何より大切です。
⑤ タイトルや表紙の決定
④の工程と並行してタイトルや表紙を決定していくことになります。
タイトルについては出版企画書の段階で仮決定していますが、最終的な原稿を見てから最初に決めたものでよいのか再考することをおすすめします。
タイトルと原稿の内容が一致しているかという点も大切ですが、それに加えてターゲットとなる読者に興味を持ってもらえるようなタイトルになっているかについてもチェックしていきましょう。
検索数を意識したタイトルにするのも一手ですし、特定の強みがわかりやすく伝わることも大切です。
また、表紙についてもかっこよさなどから選んでしまいがちですが、デザインよりも目を引く言葉がしっかりと目立っているかを意識することが大切です。
例えば以下の2つの本を見比べてみましょう。
どちらも同じタイトルなのに、印象がまったく違いますよね。
左の本の書影はデザイン的には優れているかもしれませんが、何の本なのか少し伝わりづらいです。
一方で右の本の書影は、「営業」という文字にインパクトがあり目を引くので、営業力を強化して売上をアップさせたいと考えている経営者の興味を引ける可能性が上がります。
⑥ 印刷製本
原稿が完成し、タイトルと表紙が決まればいよいよ印刷製本の段階です。
ソフトカバーかハードカバーか、見返しの色紙はどうするのかなど、細部を詰めていきます。
部数にもよりますが、印刷製本は概ね2週間~1か月程度の期間がかかります。
印刷製本後には修正ができませんので、校正作業は抜かりなく何度も実施しておきましょう。
なお、刷部数については基本的に一度に大量につくるほど、1冊あたりの単価は安くなります。
とはいえ、保存しておく場所や予算の問題もありますし、少ない部数を必要な都度印刷したほうが、万が一ミスが見つかったときに、修正したデータで刷り直すことができるといったメリットもあるので、何を優先するのかを決めてから刷部数を決定しましょう。
以上が、「2.製作の段階」の大まかな流れです。
できる限り効率的に、自分の労力を抑えてつくりたいという考えを持っている経営者も多いですが、経営者の協力の度合いが本の完成度と効果に大きな影響を及ぼします。
何度も原稿に目を通すことは骨の折れる作業ではありますが、ライターを使うなど、できる限り労力を抑えつつ、しっかりと内容に目を配って本づくりを進めていきましょう。
3.プロモーションや活用の段階
次はプロモーションや活用に力を入れる段階となります。
この段階は、3番目の段階のように解説していますが、実際は「②製作の段階」と同じタイミングで取り組んでいく必要があります。
本は、出版したタイミングが一番手に取ってもらいやすいタイミングなので、出版前には少しでも大きく展開してもらえるように書店営業を実施したり、プレスリリースを配信したり、またAmazon広告の準備を進めるといった施策がおすすめです。
また、プロモーションの一環として出版記念パーティーを開催して、これまでにお世話になった顧客を招待するのもよいでしょう。
オンラインだけではなくリアルでお会いすることができれば新しい取引が開始することもあり得ますし、エンゲージメントも高まりやすくなります。
出版記念パーティーの様子をSNSなどで拡散してもらえれば認知拡大にもつながり、より多くの人に本を購入してもらうことにつながるかもしれません。
また、プロモーションに加えておすすめしたいのが徹底的な活用です。
せっかく新規顧客の獲得を目的として本をつくっても、著者によって成果は大きな差が出るものであり、その成果を分ける最大の要素が出版後の活用なのです。
展示会や失注客への配布、ブックLP、ブックDMなど、セールスプロセスの過程に本を組み入れることで企業出版プロジェクトの成果の最大化に努めていきましょう。
(参考記事:こんな使い方をすれば成功の確率が上がる?「ブックDM」と「ブックLP」)
さいごに
今回は、企業出版プロジェクト全体の大まかな流れについて解説しました。
【この記事のまとめ】
企業出版は企画、製作、活用の3つの段階がある
企画の段階では読者ターゲットやスケジュール、出版企画を考える
製作の段階は一般的な本づくりの工程と同じ
活用の段階ではターゲットにあわせて広告や施策を組み合わせていく
ラーニングスでは、出版企画や本の製作から出版後の活用方法まで、企業出版のサポートをしております。
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